学校は正しかった・・・って今更言われてもなぁ。
- 作者: 古森剛
- 出版社/メーカー: かんき出版
- 発売日: 2011/01/24
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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著者:古森剛
■評価:可
情報:○ 新規性:× 構成:× 日本語:○ 実用性:△
難易度:易 費用対効果:× タイトルと内容の一致:△
お勧め出来る人・用途 :学校の英語学習に疑念を抱いている高校生・学校の英語学習の意義を理解する
お勧めできない人・用途:効率的な英語学習法を模索している社会人・効率的かつ効果的な英語学習法をまねぶ
■所感
学校の英語教育がいかに正しいものであったかが非常に納得のいく形で説明されている書。
本書で提示されている内容は特に新しいものでもなく、「コロンブスの卵」的な要素が含まれているわけでもない。
普遍的で古典的な学習法、即ち我々が「学校」で体験してきた英語学習の方法そのものである。
強いて特徴を挙げるなら、現在の潤沢なICT環境をフルに活用した学習の具体的な方法が披露されている点くらいか。
しかし教育の現場に於いて、このように具体的な学習の「意義」「効果」を十分に説得力のある説明で語ることの出来る教師はほとんどいない。
本書に関しては、著者の経験や経歴が、本書で提示する勉強法が如何に有効であったかを雄弁に物語っている。
だから、「こんなことやっていて何の意味があるんだよ」とぼやいている高校生にこそ読んで欲しい。
そうすれば(少なくとも今よりも多くの生徒が)、より高いモチベーションを持って、学習に取り組めるようになるだろう。
尤も、一般の高校生はこのような本を読まないのだが・・・。
実は日本の教育の問題はこの点に集約されていっているといっても過言ではない。
残念ながら本書が主な対象としている「英語を学びたい社会人」にとって、本書はあまりありがたい本とはなっていない。
何故ならば彼らは「何をすべきか」については十二分に「解って」いるからだ。
問題はそれをやるか、やらないかだけなのだが、それを解決するような「何か」はもう純粋に個々の問題に帰してしまうので、どれだけハウツー本や啓蒙書を読んでも無駄である。
取り敢えず、何でもいいから始めることである。
それは本書で紹介されている内容でも良いし、そうでないものでも良い。
本書のメソッドはあくまで1つの選択肢ではあるが、あくまで1つの選択肢でしかない。
■読了日
2012/05/06