原則は原則。ここからいかに応用していくか

SEを極める50の鉄則

SEを極める50の鉄則

書名:SEを極める50の鉄則
著者:馬場史郎


■評価:可
  情報:△ 新規性:△ 構成:△ 日本語:○ 実用性:○
  難易度:易 費用対効果:△ タイトルと内容の一致:○
  お勧め出来る人・用途 :SEとしてどのようにお客様、そして自社営業と接して良いか解らない人・自らの行動指針のヒントを得る
  お勧めできない人・用途:SEとしてのハウツー本を求めている人・SEとしてどのように振る舞えば良いかの答えを求める


■所感
 本書は「心構え」の本である。
 間違えても「ハウツー本」ではない。
 従って、何か情報や知見をえようとしても、本書からはそのようなものは一切得られない。


 本書から得られることは、SEとして、自らの行動指針の軸を形成するためのヒントである。
 勿論、これはとても大切なことである。
 特に本書で紹介されている「顧客51,会社49」の心構え、などは、顧客と自社との間で板挟みになってどうすればよいか途方にくれている多くのSEにとって、目から鱗が落ちるような考え方だろう。
 本書にはこのようなSEとしての行動指針のヒントが多くちりばめられている。


 が、しかし。
 「心構え」はあくまで「心構え」。
 そして、勿論本書は著者の30年にも及ぶ現場経験を元に著者がたどり着いた一つの結論、ではあるが、あくまでそれは著者の成功体験の域をでることはない。
 一本芯の通った「鉄則」なので、自己矛盾だらけのよくわからない有象無象の「心構え」本の中ではかなり優良な書籍であると思うが、それでもやはり「心構え」の本であることには変わりはない。
 そして、やはり残念ながら些か古いことは否めない。
 上記の評価は、それをふまえての評価である。