入門書のプロの文章入門

心くばりの文章術 (文春新書)

書名：心くばりの文章術 (文春新書)
著者：高橋麻奈

■評価：可
　　情報：○　新規性：△　構成：△　日本語：○　実用性：○
　　難易度：易　費用対効果：○　タイトルと内容の一致：△
　　お勧め出来る人・用途　：ビジネス文書で良く指摘を受ける人・ビジネス文書としての文書の書き方の基礎を学ぶ
　　お勧めできない人・用途：(主にビジネス以外の文書の)文章力を高めたいと思っている人・文章において心配りをするための知識をみにつける

■所感
　この本も例に漏れず、「タイトルと内容」がほぼ一致しない新書である。
　大きくずれているわけではないが、適切なタイトルをつけるならば、「ビジネス文書の作法」となるだろう。
　勿論、それでは売れないからこういうタイトルになるわけであるが...
　出版業界はあまりにも大衆を馬鹿にしていないか？

　
　内容に関しては、可もなく不可もなく、というところ。
　「当たり前」の作法が解りやすく丁寧に説明されている。
　まあ、それだけでも十分「入門書」の役割は果たしているが、ある程度文章を意識して書いている人間からすると、やや不満足な内容。
　(評価は迷ったが、客観的にみるとこれより良い本はいくらでも思い浮かぶので「可」とした)

　取り上げている文章の例は正直今ひとつ。
　もう一ひねりあると、費用対効果の点も含めて、ある程度の文章力のある人にとっても読み応えのある書になったと思われるだけに、残念な所ではある。

　「(相手に出す前に)一度寝かせた上で再度読み返してみよう」「訴えるべきポイントは短く、その理由をしっかりと」など、本書の内容は基本に忠実。
　この類の本を初めて読む人であればクォリティとしては十分なので、お勧め出来る。
　ちなみに、同様のテーマを熱かった書としては、以下の2冊があるが、既に駄目本であるとチェック済みである
　ご参考までに。

大切なことは60字で書ける (新潮新書)

すぐに使える! ビジネス文章の書き方 (PHPビジネス新書 45)

■読了日
2010/05/28