タブーに挑戦!
しがみつかない死に方 孤独死時代を豊かに生きるヒント (角川oneテーマ21)
- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/04/10
- メディア: 新書
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著者:香山リカ
■評価:良
情報:◎ 新規性:○ 構成:△ 日本語:○ 実用性:○
難易度:易 費用対効果:○ タイトルと内容の一致:△
お勧め出来る人・用途 :最近の日本の「死」事情について知りたい人・最近の日本の「死」にまつわる現状と、人が死んだ時にどのような手続きで処理がなされるかを知る
お勧めできない人・用途:「孤独死」を避けたいと思っている人・「孤独死」にならない方法を調べる
■所感
香山さんは「自分のことを棚に上げ」ている場合には、比較的良い内容の本をお書きになるのではないか、そう思った。
まだ5冊(うち1冊は対談本)しか読んだことがないが、『しがみつかない生き方』や『親子という病』は、自分のことが密接に絡んでいるせいか、完全に独りよがりで意味不明な主張の羅列にしか思えない内容で、とても読むに耐えない本だった。
(極端な表現だが、公にされた書に対する批評においてオブラートに包む必要はない)
本作もタイトルからすると、前作と同様、御自分のことを書かれているだろうから、きっと読むに耐えない(以下略)...と思っていたが、意外に質が良かった。
但し、あくまで「情報」が、である。
本作はタイトルほどには著者の主張が出ていない。
(どうも著者はこの件に関して、まだ「迷っている」ように感じた)
本作では様々なパターンのいわゆる「孤独死」についてのレポートが記されているが、そのどれもが(当然のことだが)日常ではなかなか得られない情報となっており、大変興味深い。
この辺りはなかなかおおやけにされないことなので、当事者から直接聞くしかないが、勿論赤の他人にべらべらと語るような話題ではないので、このような書籍の存在は大変価値がある。
香山さん、ジャーナリストになってはいかがだろうか?
あなたのような怖い者知らずの方ならば、田原さんのように「タブーに挑戦」することで、社会に貢献できるような気がするのだが。
尚、新書の常であるが、本書をタイトル通りの内容だと思って手に取ると、不安をかき立てられるだけかき立てられたあとで、そのまま放置されるので注意。
怖いもの見たさで手を出して、トラウマになっても私は(勿論著者も)責任は負えないのであしからず。
ちなみに私は孤独死に関して「どうでもよい」と考えている。
あらゆることが「どうでもよい」のがペシミストであるから当然と言えば当然ではあるが。
■読了日
2010/06/01