ありそでなさそなアリエッティ
- 作者: メアリーノートン,ダイアナ・スタンレー,Mary Norton,林容吉
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/09/18
- メディア: 文庫
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著者:メアリーノートン(訳:林容吉)
■評価:良
物語:○ 情報:− 斬新さ:○ 意外性:○ 含意の深さ:○ ムーブメント:○ 構成:○ 日本語:○
難易度:易 費用対効果:◎ タイトル:△
お勧め出来る人 :「剣と魔法」の出てこないファンタジーを求めている人
お勧めできない人:「剣と魔法」の冒険譚を求めている人
■所感
ご存じ「借りぐらしのアリエッティ」の原作本。
未だ見知らぬ良作に巡り会えるということが映像化の良い面の一つである。
(そういえば『ゲド戦記』を読むきっかけとなったのも映画化だった。
尤も、そっちは映像の方があまりにもひどすぎて驚いたのが原動力だったが)
映像の方は未だ観ていないのでそちらの評はつけようがないが、原作の方は良作である。
「ファンタジー」が読める人間であれば誰にでもお勧めできる。
特に強いアクもなく、あまり好き嫌いはないと思われる。
その分インパクトも弱いわけであるが、まあ、そこはトレードオフなので。
私の受け取ったメッセージは「(過ぎた)欲望は破滅を導く」という至極まっとうな教訓。
「アリエッティ」よりもよほど「ホミリー」の方が印象に残った。
あまり良い印象ではなかったが。
小市民的な役割だが、その「罪のない」欲望が一家の平穏を奪い去ってしまう元凶となる。
少なくとも私の解釈では、そう。
確かにきっかけは「アリエッティ」だが、著者としてはアリエッティの好奇心よりもホミリーの物欲の方を諫めているように読めた。
(まあ、可哀想なキャラクターではある)
ファンタジーは好きなんだけど、「剣と魔法」が飛び交うような類の物語はちょっと、という人にお勧め。
小学校の頃に愛読していた『あなぐまビルのぼうけん』を思い出した。
- 作者: BB,D.J.ワトキンス‐ピッチフォード,神鳥統夫
- 出版社/メーカー: 大日本図書
- 発売日: 1983/12
- メディア: 単行本
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